54 A ちゃん (11 歳、女児) は、5日前から両側の眼瞼浮腫と急な体重増加があり、尿量が少ないため来院した。高度の蛋白尿もみられたため入院し、ネフローゼ症候群と診断されステロイド治療の方針となった。
現時点での A ちゃんへの看護で適切なのはどれか。
- 水分摂取を促す。
- 病院内を散歩して良いと伝える。
- 糖分の摂取制限があることを伝える。
- 一時的に満月様顔貌になることを説明する。
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4. 一時的に満月様顔貌になることを説明する。
ネフローゼ症候群とは、高度のタンパク尿により低タンパク血症を来す腎臓症候群の総称である。
ネフローゼ症候群に対しては、ステロイド療法に加えて、対症療法や生活管理が行われる。
<ステロイド>
代表的な副作用については、あらかじめ可能性を説明し、対処法も併せて説明する。
「4. 満月様顔貌(ムーンフェイス)」は、ステロイドの代表的な副作用である。これは、治療終了後、ステロイドを減量・終了すると症状もとれる。ステロイドパルスの前には、一時的な症状として現れることを説明しておく必要がある。
<生活管理>
・安静…尿量が少なく浮腫がある時期には、安静にすることで、尿量が増加し、浮腫も軽減すると考えられる。<この時期を過ぎたら、安静は不要>
・水分制限・塩分制限…浮腫や高血圧がある時期、ステロイドパルス療法中は、水分制限や塩分制限が必要。<この時期以外は制限は不要。幼児の場合、水分調節能が低いため、不要な水分制限・塩分制限を行うと、脱水となりやすく、そこから腎機能低下をきたす可能性がある>