特に注意が必要な薬剤

参考資料 [1] のうち、I, III に相当する薬剤一覧

項目ファイル更新日時
I-②休薬期間が必要な医薬品(内服薬) (pdf) (excel)2017.07.05
I-④特定の疾患に禁忌の医薬品/緑内障 (pdf) ver. 12017.8.25
(pdf) ver. 22020.10.20
I-⑤定期的な検査が必要な医薬品 (pdf)2016.12.06
I-⑨抗がん剤の血管外漏出[2]
III-⑥医療事故やインシデントが多数報告されている薬剤
【参考】公益財団法人 日本医療機能評価機構 (html)
III-⑦市販直後調査の対象品目一覧 (html)
(参照元:PMDA (html))

参考資料)

[1] 平成18年度厚生労働科学研究 医薬品等の安全管理体制の確立に関する研究:「「医薬品の安全使用のための業務手順書」作成マニュアル 」、平成19年3月. (pdf)

[2] 日本がん看護学会 (html):「外来がん化学療法看護ガイドライン ①抗がん剤の血管外漏出およびデバイス合併症の予防・早期発見・対処 2014年版」、金原出版、2014年1月.(pdf)


ハイリスク薬 [3]

Ⅰ.厚生労働科学研究「『医薬品の安全使用のための業務手順書』作成マニュアル(平成19年3月)」[1] において「ハイリスク薬」とされているもの。

① 投与量等に注意が必要な医薬品
② 休薬期間の設けられている医薬品や服薬期間の管理が必要な医薬品
③ 併用禁忌や多くの薬剤との相互作用に注意を要する医薬品
④ 特定の疾病や妊婦等に禁忌である医薬品
⑤ 重篤な副作用回避のために、定期的な検査が必要な医薬品
⑥ 心停止等に注意が必要な医薬品
⑦ 呼吸抑制に注意が必要な注射薬
⑧ 投与量が単位(Unit)で設定されている注射薬
⑨ 漏出により皮膚障害を起こす注射薬

II. ハイリスク薬:特定薬剤管理指導加算等の算定対象となる薬剤

① 抗悪性腫瘍剤
② 免疫抑制剤
③ 不整脈用剤
④ 抗てんかん剤
⑤ 血液凝固阻止剤
⑥ ジギタリス製剤
⑦ テオフィリン製剤
⑧ カリウム製剤(注射薬に限る)
⑨ 精神神経用剤(SSRI、SNRI、抗パーキンソン薬を含む)
・ 抗うつ剤
・ 躁病・躁状態治療剤
・ 統合失調症治療剤
・ 抗パーキンソン剤
(・ 催眠鎮静剤、抗不安剤)※ハイリスク薬には該当しないものが多いため要確認※
⑩ 糖尿病用剤
⑪ 膵臓ホルモン剤
⑫ 抗HIV剤

Ⅲ.投与時に特に注意が必要と考えられる以下の性質をもつ薬剤

① 治療有効域の狭い薬剤
② 中毒域と有効域が接近し、投与方法・投与量の管理が難しい薬剤
③ 体内動態に個人差が大きい薬剤
④ 生理的要因(肝障害、腎障害、高齢者、小児等)で個人差が大きい薬剤
⑤ 不適切な使用によって患者に重大な害をもたらす可能性がある薬剤
⑥ 医療事故やインシデントが多数報告されている薬剤
⑦ その他、適正使用が強く求められる薬剤(発売直後の薬剤など)

参考資料)

[3] 日本薬剤師会:「薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン(第2版) 」、平成 23 年4月 15 日 .


代表的な医薬品 [1]

1.投与量等に注意が必要な医薬品

○ 抗てんかん薬
フェノバルビタール(フェノバール)、フェニトイン(アレビアチン)、カルバマゼピン(テグレトール)、バルプロ酸ナトリウム(デパケン)等
○ 向精神薬
ハロペリドール(セレネース)、レボメプロマジン(ヒルナミン)、エチゾラム(デパス)等
○ ジギタリス製剤
ジギトキシン、ジゴキシン(ジゴシン)等
○ 糖尿病治療薬
経口血糖降下剤(グリメピリド(アマリール)、グリベンクラミド(オイグルコン、ダオニール)、グリクラジド(グリミクロン)等)等
○ テオフィリン製剤
テオフィリン(テオドール、テオロング)、アミノフィリン(ネオフィリン)等
○ 抗がん剤
タキソテール(ドセタキセル)、タキソール(パクリタキセル)、シクロホスファミド(エンドキサン)、メルファラン(アルケラン)等
○ 免疫抑制剤
シクロホスファミド(エンドキサンP)、シクロスポリン(ネオーラル、サンディミュン)、タクロリムス(プログラフ)等

2.休薬期間の設けられている医薬品や服薬期間の管理が必要な医薬品

メトトレキサート(リウマトレックス)、ティーエスワン、ゼローダ、ホリナート・テガフール・ウラシル療法薬 (ユーゼル・ユーエフティ)等

3.併用禁忌や多くの薬剤との相互作用に注意を要する医薬品

イトラコナゾール(イトリゾール)、ワルファリンカリウム(ワーファリン)等

4.特定の疾病や妊婦等に禁忌である医薬品

ガチフロキサシン(ガチフロ)、リバビリン(レベトール)、エトレチナート(チガソン)等

5.重篤な副作用回避のために、定期的な検査が必要な医薬品

チクロピジン(パナルジン)、チアマゾール(メルカゾール)、ベンズブロマロン(ユリノーム)、ピオグリタゾン(アクトス)、アトルバスタチン(リピトール)等

< 注射薬に関する特記事項 >

1.心停止等に注意が必要な医薬品

○ カリウム製剤塩化カリウム(KCL)、アスパラギン酸カリウム(アスパラカリウム)、リン酸二カリウム等
○ 抗不整脈薬
ジゴキシン(ジゴシン)、キシロカイン(リドカイン)等

2.呼吸抑制に注意が必要な注射薬

○ 筋弛緩薬
塩化スキサメトニウム(サクシン、レラキシン)、臭化ベクロニウム(マスキュラックス)等
○ 麻酔導入・鎮静薬、麻薬(モルヒネ製剤)、非麻薬性鎮痛薬、抗てんかん薬 等

3.投与量が単位(Unit)で設定されている注射薬

○ インスリン(100 単位/mL)
○ ヘパリン(1000 単位/mL)

4.漏出により皮膚障害を起こす注射薬

○ 抗悪性腫瘍薬(特に壊死性抗悪性腫瘍薬)
マイトマイシンC(マイトマイシン)、ドキソルビシン(アドリアシン)、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、ビンクリスチン(オンコビン)等
○ 強アルカリ性製剤
フェニトイン(アレビアチン)、チオペンタール(ラボナール)、炭酸水素ナトリウム(メイロン)等
○ 輸液補正用製剤
マグネシウム製剤(硫酸マグネシウム)、カルシウム製剤(塩化カルシウム)、高張ブドウ糖液等
○ その他
メシル酸ガベキサート(エフオーワイ)、造影剤等